RePTE受験してきました [TEE]
2004年にPTEeXAMを受けてはや10年。いつの間に更新の時期になりました。
10年前に私が受けたときは画面はソニーのテレビ(しかもブラウン管で4人に1台!)だし,解答はマークシート。大きな部屋(インターコンチの大広間)で400人ぐらいで受けていました。
それに試験会場はダラス1カ所だったので,わざわざアメリカまで受けに行かなくてはならなかったのでした。まあそれはそれで楽しかったのですけども…。
行きの飛行機の中で隣の外人のおじさんから「TEEの勉強しとるんか!クールやな!(もちろん英語)」と声をかけられ(たぶんそう言っていた),答えに困って「ええ,まあ」とお茶を濁したことを思い出します。
あの頃は今に輪をかけて英語がだめだったから(もちろん今もダメですけども)…。何で合格できたのか今でもわからず…(笑)。
それはさておき,この10年でNBEの試験もCBT(Computer Based Test)となり,東京で受験できるようにもなったので,10年たったのを良い機会にRePTEを受験することにました。
ちなみにRePTEとはRecertification Examination of Special Competence in Perioperative Transesophageal Echocardiographyの略で,Advanced PTEeXAMの更新者用の試験です。
@試験のながれ
試験当日(7月7日)は12時が予約時間だったので30分前の11:30にPROMETRIC 御茶ノ水ソラシティテストセンターに到着し、NBEのWebでダウンロードしたScheduling Permitとパスポートを提示して受付を済ませました。ラミネートされた注意書きの紙を2枚とScheduling Permit,パスポート以外は荷物をロッカーに収納,服のポケットも空にせよとの指示なので,ポケットの中のものは全てカバンに入れてロッカーに収納し,もちろん腕時計もはずします。
ロッカーはそれなりの大きさで普通のカバンなら入るでしょう。スーツケースは預かってくれるようでした。
数分待つと受付の番号を呼ばれ,カウンターに行くと,注意書きの紙は回収され,パスポートとScheduling Permitの提示を再度求められます。パスポートの確認,写真撮影を行った後に,メモ用にラミネートされた紙を2枚とサインペンをもらいました。Scheduling Permitは回収されるので,もらったラミネートの紙にCandidate ID(CIN)をメモします。Scheduling Permitに”Do not erase your name and CIN"って書いてあり何のことかと思ったがこのことだったのかと納得しました。
さらにパスポートと同じ署名と入室の時間を所定の紙に記入(サインイン)した後に,ボディーチェックを受けました。金属探知機を使っており、ズボンの裾をあげさせられました。過去に何か隠し持っていた人でもいたのでしょうか。ポケットも裏返して何も入ってないことを示します。
これらの手続きが終わって席に誘導されました。そんなに時間はかかりません。
席には液晶とキーボードとマウス,係員を呼ぶためのボタン,遮音用のヘッドフォンが置いてあります。CINを入力し、ログインすると先ほど撮影された自分の写真が出てきて少しびっくり。写真うつり悪いなあと思いつつ,気を取り直して,まずはチュートリアルから。15分の割り当てなのですが、事前にみていたので5分で終了しました。それなりに分量はあるので予め見ておくことをお勧めします。
こちらからダウンロード
http://www.echoboards.org/content/nbe-exam-tutorial
試験は、RePTEは50問60分のブロックが2つと症例問題の50問90分のブロックが1つの合わせて3ブロック構成です。初回用のAdvanced PTEeXAMは50問60分のブロックがもうひとつ増えるようです。合わせると150問180分だから以前のPTEeXAMと同じなのですね。
チュートリアル終了後、さっそく一つ目のブロック(50問60分)に着手。JBPOTだといわゆる文章問題ですが、時々動画も入ります。NBEの問題ソフトは問題文にマーキングできますし,消去法で選択肢を消すのに取り消し線を引くこともできるのが良いです。そんなことを思いつつ、何とか終わって”End Block"をクリック。全ての問題に解答するとこのボタンが赤色から緑色に変わりました。
ここでトイレ休憩。”Take a Break”ボタンをクリックし,Authorized Breakを使いました。Breakは25分までとれます。退室の際にも入室時と同様に署名と時間を記入(サインアウト)が必要です。戻る時には最初の入室と同じように、パスポートの確認、ボディーチェック、署名と時間の記入です。
再び席について、CINを入力し、2つ目のブロック(50問60分)を開始しました。いくつかの問題で考え込んでしまい時間が少なくなりペースを上げることに。そもそも一問につき1分12秒しかないので,考え込めば時間は足りなくなってしまいます。もちろん瞬殺できる問題もあるので帳尻は何とかあって,時間内に終了しました。ふう。
次のブロックは90分なので念のため再びトイレ休憩。先ほどの休憩と同じ手続き、サインアウトとサインインです。
試験前にコーヒーを飲み過ぎたせいでしょうか…係のひとに怪しまれたかもしれません…
それにしても文章題150問を180分ぶっ続けだった10年前のPTEeXAMに比べると,60分ずつ区切ってある方が断然楽です。
最後のブロックは症例問題です。50問90分で30症例ぐらいだったと思います。ビテオは短いクリップがひとつの症例についていくつかあり、ひとつずつ見ていく形式(ちなみにJBPOTは30秒から1分ぐらいの動画を2回再生できます)で,設問は2〜4問といったところ。最大9個の動画が準備されていました。サムネール表示で一覧できるのですが、9個もあるとさすがにうへえ…という感じでした。
もちろん,動画は何度でも見られますし、一時停止やコマ送りもできます。さらに,コントラストや輝度も調節できますし、拡大も可能です。詳しくはNBEのチュートリアルを見て下さい。
ビデオ問題は30分ぐらい時間が残ったので、一通り見直しをして"End block”。問題が終わったあとNBEからのアンケートに答えて終了しました。アンケートの内容は試験の手続きや日程、時間配分などについての質問でした。終了の証明書?をもらって退出です。
証明書には”Please remember that reproducing and/or disseminating examination material by any means (including reconstruction from memory) is considered irregular behavior by the NBE…”などと書いてありました。そういえば最後の画面にも出ていましたがよく読んでませんでした。ま,そりゃそうかな。。。
@問題の傾向
全体の問題傾向としては,素直な問題が多かったという印象です。
文章問題は臨床的なものと原理に関するものが混ざっていました。原理は平易なものがほとんどで,Edelmanを読んでおけば大丈夫という感じです。
臨床の問題は基本的な問題が多かったですが,時々ひとひねりしてある問題もあります。その一方で,ある断面を描出するのにプローブをどう動かしたらいいかといった、実際にTEEを使っていないと解答が難しい問題もありました。また新しくガイドラインに取り入れられた断面が多く使われていた(modified Bicavalとか)ように思います。RT 3D TEEの画像も出題されていましたが僧帽弁逸脱の部位を指摘するという程度でした。
症例問題は最初の症例が右心系単心室でフォンタン術後の患者のTEEというセッティング。初っぱなから心が折れそうになりましたが,全体としては基本から応用まで症例は多岐にわたっており,よく考えられた出題だと思いました。ビデオの画質もまずまずだし,多くの画像がある症例でも,どの画像について問うているか明示されているので答えやすかったです。普段からTEEをやっていればそんなには困らないのではないでしょうか。
@使った教材
今回は勉強する時間も限られていたので教材を絞りました(というか,絞らざるをえませんでした)。
TEE全般については
Mathew JP
Clinical Manual and Review of Transesophageal Echocardiography, 2nd ed. (2010)
基礎については
Edelman SK
Understanding Ultrasound Physics, 4th ed.(2012)
の2冊のみです(くどいようですが,これしかできなかったのです)。
Clinical Manual…はいわゆる紫本(2008)より新しく,章末に問題がたくさんついているのとCD-ROMにCBT形式の練習問題が入っているので試験対策に良いのでは?という理由で採用しました。
実際の臨床で役立つようなTipsや注意点まで書いてあるのが良いと思いました。載っている問題は実際の試験問題より難しめでしょうか…。
Understanding Ultrasound…は絵も多いし,英語も読みやすいです。普通の心エコーの教科書の原理の章は読み出すと心が折れるか眠ってしまうのですが,この本は読み進められます。ポイントポイントで練習問題がありReviewにいいですし,本の最後には629題の練習問題があります(私は時間切れでできませんでしたが…)。
結果が伴うといいのですけども…
10年前の「私」に勝てるのか…
ということで長くなりましたが、忘れないうちにメモってみました。
参考にしていただければ幸いです。
追記@2014/9/7
何とか合格することができました。10年前の「私」にも勝利\(^O^)/
10年前に私が受けたときは画面はソニーのテレビ(しかもブラウン管で4人に1台!)だし,解答はマークシート。大きな部屋(インターコンチの大広間)で400人ぐらいで受けていました。
それに試験会場はダラス1カ所だったので,わざわざアメリカまで受けに行かなくてはならなかったのでした。まあそれはそれで楽しかったのですけども…。
行きの飛行機の中で隣の外人のおじさんから「TEEの勉強しとるんか!クールやな!(もちろん英語)」と声をかけられ(たぶんそう言っていた),答えに困って「ええ,まあ」とお茶を濁したことを思い出します。
あの頃は今に輪をかけて英語がだめだったから(もちろん今もダメですけども)…。何で合格できたのか今でもわからず…(笑)。
それはさておき,この10年でNBEの試験もCBT(Computer Based Test)となり,東京で受験できるようにもなったので,10年たったのを良い機会にRePTEを受験することにました。
ちなみにRePTEとはRecertification Examination of Special Competence in Perioperative Transesophageal Echocardiographyの略で,Advanced PTEeXAMの更新者用の試験です。
@試験のながれ
試験当日(7月7日)は12時が予約時間だったので30分前の11:30にPROMETRIC 御茶ノ水ソラシティテストセンターに到着し、NBEのWebでダウンロードしたScheduling Permitとパスポートを提示して受付を済ませました。ラミネートされた注意書きの紙を2枚とScheduling Permit,パスポート以外は荷物をロッカーに収納,服のポケットも空にせよとの指示なので,ポケットの中のものは全てカバンに入れてロッカーに収納し,もちろん腕時計もはずします。
ロッカーはそれなりの大きさで普通のカバンなら入るでしょう。スーツケースは預かってくれるようでした。
数分待つと受付の番号を呼ばれ,カウンターに行くと,注意書きの紙は回収され,パスポートとScheduling Permitの提示を再度求められます。パスポートの確認,写真撮影を行った後に,メモ用にラミネートされた紙を2枚とサインペンをもらいました。Scheduling Permitは回収されるので,もらったラミネートの紙にCandidate ID(CIN)をメモします。Scheduling Permitに”Do not erase your name and CIN"って書いてあり何のことかと思ったがこのことだったのかと納得しました。
さらにパスポートと同じ署名と入室の時間を所定の紙に記入(サインイン)した後に,ボディーチェックを受けました。金属探知機を使っており、ズボンの裾をあげさせられました。過去に何か隠し持っていた人でもいたのでしょうか。ポケットも裏返して何も入ってないことを示します。
これらの手続きが終わって席に誘導されました。そんなに時間はかかりません。
席には液晶とキーボードとマウス,係員を呼ぶためのボタン,遮音用のヘッドフォンが置いてあります。CINを入力し、ログインすると先ほど撮影された自分の写真が出てきて少しびっくり。写真うつり悪いなあと思いつつ,気を取り直して,まずはチュートリアルから。15分の割り当てなのですが、事前にみていたので5分で終了しました。それなりに分量はあるので予め見ておくことをお勧めします。
こちらからダウンロード
http://www.echoboards.org/content/nbe-exam-tutorial
試験は、RePTEは50問60分のブロックが2つと症例問題の50問90分のブロックが1つの合わせて3ブロック構成です。初回用のAdvanced PTEeXAMは50問60分のブロックがもうひとつ増えるようです。合わせると150問180分だから以前のPTEeXAMと同じなのですね。
チュートリアル終了後、さっそく一つ目のブロック(50問60分)に着手。JBPOTだといわゆる文章問題ですが、時々動画も入ります。NBEの問題ソフトは問題文にマーキングできますし,消去法で選択肢を消すのに取り消し線を引くこともできるのが良いです。そんなことを思いつつ、何とか終わって”End Block"をクリック。全ての問題に解答するとこのボタンが赤色から緑色に変わりました。
ここでトイレ休憩。”Take a Break”ボタンをクリックし,Authorized Breakを使いました。Breakは25分までとれます。退室の際にも入室時と同様に署名と時間を記入(サインアウト)が必要です。戻る時には最初の入室と同じように、パスポートの確認、ボディーチェック、署名と時間の記入です。
再び席について、CINを入力し、2つ目のブロック(50問60分)を開始しました。いくつかの問題で考え込んでしまい時間が少なくなりペースを上げることに。そもそも一問につき1分12秒しかないので,考え込めば時間は足りなくなってしまいます。もちろん瞬殺できる問題もあるので帳尻は何とかあって,時間内に終了しました。ふう。
次のブロックは90分なので念のため再びトイレ休憩。先ほどの休憩と同じ手続き、サインアウトとサインインです。
試験前にコーヒーを飲み過ぎたせいでしょうか…係のひとに怪しまれたかもしれません…
それにしても文章題150問を180分ぶっ続けだった10年前のPTEeXAMに比べると,60分ずつ区切ってある方が断然楽です。
最後のブロックは症例問題です。50問90分で30症例ぐらいだったと思います。ビテオは短いクリップがひとつの症例についていくつかあり、ひとつずつ見ていく形式(ちなみにJBPOTは30秒から1分ぐらいの動画を2回再生できます)で,設問は2〜4問といったところ。最大9個の動画が準備されていました。サムネール表示で一覧できるのですが、9個もあるとさすがにうへえ…という感じでした。
もちろん,動画は何度でも見られますし、一時停止やコマ送りもできます。さらに,コントラストや輝度も調節できますし、拡大も可能です。詳しくはNBEのチュートリアルを見て下さい。
ビデオ問題は30分ぐらい時間が残ったので、一通り見直しをして"End block”。問題が終わったあとNBEからのアンケートに答えて終了しました。アンケートの内容は試験の手続きや日程、時間配分などについての質問でした。終了の証明書?をもらって退出です。
証明書には”Please remember that reproducing and/or disseminating examination material by any means (including reconstruction from memory) is considered irregular behavior by the NBE…”などと書いてありました。そういえば最後の画面にも出ていましたがよく読んでませんでした。ま,そりゃそうかな。。。
@問題の傾向
全体の問題傾向としては,素直な問題が多かったという印象です。
文章問題は臨床的なものと原理に関するものが混ざっていました。原理は平易なものがほとんどで,Edelmanを読んでおけば大丈夫という感じです。
臨床の問題は基本的な問題が多かったですが,時々ひとひねりしてある問題もあります。その一方で,ある断面を描出するのにプローブをどう動かしたらいいかといった、実際にTEEを使っていないと解答が難しい問題もありました。また新しくガイドラインに取り入れられた断面が多く使われていた(modified Bicavalとか)ように思います。RT 3D TEEの画像も出題されていましたが僧帽弁逸脱の部位を指摘するという程度でした。
症例問題は最初の症例が右心系単心室でフォンタン術後の患者のTEEというセッティング。初っぱなから心が折れそうになりましたが,全体としては基本から応用まで症例は多岐にわたっており,よく考えられた出題だと思いました。ビデオの画質もまずまずだし,多くの画像がある症例でも,どの画像について問うているか明示されているので答えやすかったです。普段からTEEをやっていればそんなには困らないのではないでしょうか。
@使った教材
今回は勉強する時間も限られていたので教材を絞りました(というか,絞らざるをえませんでした)。
TEE全般については
Mathew JP
Clinical Manual and Review of Transesophageal Echocardiography, 2nd ed. (2010)
Clinical Manual and Review of Transesophageal Echocardiography, Second Edition
- 作者: Joseph Mathew
- 出版社/メーカー: McGraw-Hill Professional
- 発売日: 2010/12/07
- メディア: ペーパーバック
基礎については
Edelman SK
Understanding Ultrasound Physics, 4th ed.(2012)
Understanding Ultrasound Physics
- 作者: Sidney K. Edelman
- 出版社/メーカー: E.S.P. Ultrasound
- 発売日: 2012/07/01
- メディア: ハードカバー
の2冊のみです(くどいようですが,これしかできなかったのです)。
Clinical Manual…はいわゆる紫本(2008)より新しく,章末に問題がたくさんついているのとCD-ROMにCBT形式の練習問題が入っているので試験対策に良いのでは?という理由で採用しました。
実際の臨床で役立つようなTipsや注意点まで書いてあるのが良いと思いました。載っている問題は実際の試験問題より難しめでしょうか…。
Understanding Ultrasound…は絵も多いし,英語も読みやすいです。普通の心エコーの教科書の原理の章は読み出すと心が折れるか眠ってしまうのですが,この本は読み進められます。ポイントポイントで練習問題がありReviewにいいですし,本の最後には629題の練習問題があります(私は時間切れでできませんでしたが…)。
結果が伴うといいのですけども…
10年前の「私」に勝てるのか…
ということで長くなりましたが、忘れないうちにメモってみました。
参考にしていただければ幸いです。
追記@2014/9/7
何とか合格することができました。10年前の「私」にも勝利\(^O^)/
2014-07-09 07:13
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