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RePTE受験してきました [TEE]

2004年にPTEeXAMを受けてはや10年。いつの間に更新の時期になりました。
10年前に私が受けたときは画面はソニーのテレビ(しかもブラウン管で4人に1台!)だし,解答はマークシート。大きな部屋(インターコンチの大広間)で400人ぐらいで受けていました。
それに試験会場はダラス1カ所だったので,わざわざアメリカまで受けに行かなくてはならなかったのでした。まあそれはそれで楽しかったのですけども…。
行きの飛行機の中で隣の外人のおじさんから「TEEの勉強しとるんか!クールやな!(もちろん英語)」と声をかけられ(たぶんそう言っていた),答えに困って「ええ,まあ」とお茶を濁したことを思い出します。
あの頃は今に輪をかけて英語がだめだったから(もちろん今もダメですけども)…。何で合格できたのか今でもわからず…(笑)。

それはさておき,この10年でNBEの試験もCBT(Computer Based Test)となり,東京で受験できるようにもなったので,10年たったのを良い機会にRePTEを受験することにました。
ちなみにRePTEとはRecertification Examination of Special Competence in Perioperative Transesophageal Echocardiographyの略で,Advanced PTEeXAMの更新者用の試験です。

Prometric.jpg

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Virtual TEE [TEE]

知り合いの麻酔科の先生からToronto General Hospitalの麻酔科の
Virtual Transesophageal Echocardiography
というWebを紹介していただきました。

TEEの基本20断面を心臓のCGモデルと2D/3Dエコーのビデオクリップで勉強できます。
なんと日本語のバージョンもあります。

TEEの他にもいろいろなPIE; Perioperative Interactive Educationプログラムが
公開されています。

どれもこれもなかなかの出来映えで楽しめます。


医龍とTEE [TEE]

先週の医龍を読んでみると,こんな場面があった。

外傷による心損傷修復のために,妊婦が人工心肺を使用して手術を受けていた。
手術も無事終了し,人工心肺からも順調に離脱。
しかし聞こえていたはずの胎児の心音がモニターできなくなってしまう。
ざわつくオペ室。
しかし麻酔を担当していた朝田は,TEEのプローブを抜き,患者のお腹に当てる。
エコーの画面には元気な胎児の姿。
胎児が動いたために心音が聞こえなくなったのだ…


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来年のPTEeXAM [TEE]

来年のPTEeXAMの日程がNational Board of Echocardiographyから出ました。
PTEeXAM*が2008年4月13日にDallas, Hilton Anatoleで行われるようです。
来年は今までより日程が前倒しになっていますね。

10月の後半ぐらいに受験要項?が出るようなので,受ける方はNBEのWebを要checkです。

ちなみにASCeXAM**は2008年5月4日,同じくDallas, Hilton Anatoleです。

*Examination of Special Competence in Perioperative Transesophageal Echocardiography
**Examination of Special Competence in Adult Echocardiography


TEEは本当に必要か… [TEE]

先日,TEEのレクチャーをさせていただいた時のこと。
レクチャーの終了後に
「TEEなんて,心臓手術が多いところだけでやればいいんだ…」
「なんで俺が覚えなきゃいけないのか…」
という捨て台詞を残していった方がおられた。
私の話はこの方にはあまり響かなかったようである。

覚えたくない人は無理に覚える必要もないわけだし,
もしそうなら,貴重な時間を割いて,つまらない講義に出る必要もなかったのに…
とも思ったけど。

それはともかく。
まぁ,今までTEEなしでやってこられた先生からみると,
正直なところなんだろうとも思う。

けれども,私はむしろ逆だと思う。
症例数があまりなく,チームの練度も高くないところでこそ,TEEは役に立つ。
そう,私がいつも講義の中で話しているRisk Managementである。

全ての外科医の技量が優れていればHappyだが,現実はそうではない。
全てのチームが「医龍 Team Medical Dragon」のような素晴らしいチームでもないのだ。
そんな中で患者のoutcomeを良くするために麻酔科医は何ができるか・・・。
TEEは大きな武器になると私は考えている。
使える武器は多い方がいいのだから。


“ながれ”的 麻酔に役立つ断面:Basic 7+1 [TEE]

TEEと三本の矢というエントリーで麻酔に役立つ情報を得るための7断面についてふれた。
それぞれについて,少し解説してみたい。

まずはBasic 7(勝手に名付けました)

▼中部食道四腔断面(ME 4 Chamber)

・僧帽弁の評価
・三尖弁の評価
・左室の大きさ,中隔(inferoseptal)と前側壁(anterolateral)の評価
・右室の大きさ,壁運動の評価

大動脈弁のみえるいわゆる3 Chamberから少しプローブを進めたViewです。少し背屈させたりプレーンを10度ぐらいにするとよりきれいに描出できます。心尖部の短縮(foreshortening)に注意しましょう。
実はME 4 Chamberでも冠動脈3領域の灌流の評価が可能です。LADは心室中隔,LCXは側壁,そしてRCAは右室と中隔の基部の動きを確認すれば良い。
また左室や右室のglobal functionは壁の動きに加えて,僧帽弁輪(descent of the base),三尖弁輪(tricuspid annular plane systolic excursion;TAPSE)の動きで評価可能です。
実はME 4 Chamberはたくさんの情報を得られる,すごい断面なのですね。




▼中部食道二腔断面(ME 2 Chamber)

・僧帽弁の評価
・左室の大きさ,前壁(anterior)と下壁(inferior)の評価

ME 4 Chamberから90度ぐらいまでプレーンを回す(rotate forward)と描出できます。
左心耳もこの断面で確認できます。プローブを左右に振って,一番左室が長く描出されるところをさがすと良いでしょう。




▼中部食道長軸断面(ME LAX)

・僧帽弁の評価
・大動脈弁の評価
・左室の大きさ,前壁中隔(anteroseptal)と後側壁(inferolateral)の評価

ME 2 Chamberからさらにプレーンを135度ぐらいまで回すと描出できます。このviewで大動脈弁の評価も可能です。




▼中部食道右室流入流出路断面(ME RV inflow-outflow)

・三尖弁,肺動脈弁,(大動脈弁)の評価
・右室自由壁の壁運動の評価
・肺動脈カテーテル挿入のガイド

0度で大動脈弁が見えてる断面から60-70度ぐらいまでプレーンを回すと描出できることが多いです。特に三尖弁逆流はME 4 Chamberでは,逆流とエコービームが直交し,つかまえられないこともあるので,複数の断面(ME RV inflow-outflow, modified Bicaval)で確認が必要です。




▼中部食道大動脈弁短軸断面(ME AV SAX)
▼中部食道大動脈弁長軸断面(ME AV LAX)


・大動脈弁の評価(形態や逆流,狭窄の有無)

Basic 7にいれる必要があるか迷いましたが,大動脈弁の短軸像をみることができるのはこのviewだけなので,長軸と共に入れました。短軸は30〜60度ぐらい,長軸はそこからさらに90度まわしたところで見えます。




▼経胃中部短軸断面(TG mid SAX)

・左室の壁運動,大きさの評価
 冠動脈3領域全ての灌流の評価が可能です
・右室の壁運動,大きさの評価
・心室中隔の評価(奇異性運動など)

胃までプローブを進めて,前屈させると得られます。
斜め切りは壁運動の過小評価,過大評価の原因となるので注意が必要です。左側屈やプレーンを少し回すことで,きれいな短軸が描出できることがあります。
左室内腔がが丸く,前外側乳頭筋,後内側乳頭筋の両方が丸く,同じ大きさで描出されていれば,正しい断面と言えるでしょう。また0度から90度までプレーンを回して,どのように切れているかチェックするのも効果的です。




そして+1。それは・・・
▼中部食道上下大静脈断面(ME Bicaval)

Risk Managementのための断面と私は呼んでいます。(私だけ?)
・CVCやPACの挿入時のガイド。ガイドワイヤーの確認ができる
・この断面から下大静脈を追ってプローベを進めて,下大静脈の脱血管の位置確認
・断面の角度を90〜120°ぐらいにして冠静脈洞(逆行性冠灌流カテーテル)の確認
・右にプローブを回転させれば,右上肺静脈(左室ベント,遺残空気)を描出
・断面の角度を90〜120°ぐらいにして三尖弁逆流の確認
・卵円孔開存(PFO)の評価


TEEと三本の矢 [TEE]

先週の講演のテーマは「TEEはこういう使い方もできます」みたいな話。
人工心肺の種々のカニューレや,PCPS,IABPの留置をTEEでどのようにサポートするかという内容で話させていただいた。

私は,TEEの術中の役割としては,Diagnosis,Monitoring,そしてRisk Managementの3つの役割があるという話を講演のなかでいつもしている。
いわば「三本の矢」だろうか。

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MicroMaxxからのAVI [TEE]

SonoSiteから出ているMicroMaxxはコンパクトフラッシュに動画を記録し,それを専用のソフトでAVIファイルに書き出すことが出来ます。しかしMacintoshのQuickTimeではデフォルトの状態ではみることができません。白い画面になってしまいます。

そこで,これまではAVIファイルをDivX Doctor IIでMOVファイルに変換し,さらに3ivx D4 4.5.1 for OS X,MS-MPEG4v1 for Mac OS XをQuickTimeのコンポーネントに加えることで,QuickTimeで再生できるようにしていました。

ところが,MacBook Proに乗り換えたところ,このMOVファイルが再生できなくなってしまいました。
必要なコンポーネントは加えたはずだったのですが・・・。QuickTimeで再生できないと,Keynoteに埋め込んだ動画が動かなくなってしまうのです。おそらくintel macに対応してないんですよね。MS-MPEG4v1はさすがに厳しいんでしょうか。
するとMicroMaxxの動画が使えない・・・。

しかし,Pericanというコンポーネントを見つけました。これだともとのAVIファイルがQuickTimeで再生できますし,Keynoteに読み込んでも大丈夫です。
動画を差し替えなければならないですが,とりあえずほっとしました。

でもできれば,他のエンコードで書き出せるようにして欲しいな・・・。


PTEeXAMの傾向と対策(2) [TEE]

来年のSCAはMontrealなので,PTEeXAMもMontrealでの開催になるか,
あるいはDallasになるか。
私が受けた2004年はDallasで,2005年はBaltimore,2006年はDallasでした。
もしもDallasなら,日曜日が試験なので金曜日に入るとまる一日ゆっくりできます。

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PTEeXAMの傾向と対策(1) [TEE]

Webからの移動シリーズ第1弾です。もうひと月もすると来年のPTEeXAMの詳細が発表されます。PTEeXAMの合格の有効期間は10年間。10年後にあの試験に受かるとはとても思えません・・・。

PTEeXAMとは・・・ 

PTEeXAMとはExamination of Special Competence in Perioperative Transesophageal Echocardiography の略であり,アメリカのNational Board of Echocaradiography:NBEが行う術中経食道心エコーの資格試験です。せっかく試験を受けて,運良く合格できたので,今後,PTEeXAMを受ける方のために,私の行った勉強法と実際の試験の傾向について書いてみようと思います。ただし,すべて私の独断と偏見ですので,あしからず

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